chapter3- なんとなく受けた教員採用試験とリクルートでの営業

大学2年時のインターンシップで政治家に興味は持ったものの、当然家族や周囲を含む政治家には何のゆかりも縁も無い。何よりも25歳になるまで立候補できない。
大学卒業後から25歳までの3年間、何をしようと迷った結果、『ひとまず』教員を経て政治家になろうと思った。大学3年の秋から大学4年の夏まで、毎日10時間は大学の研究室で勉強した。
しかし、当然『ひとまず』という想いでは教員にはなれない。大学4年に受けた教員採用試験では、筆記の一次試験は突破するも、実技と面接の二次試験で不合格。

不合格の通知が来たとき、悔しさよりも「だろうな」という何とも情けない感想を抱いた。本来、高校教諭はなかなか一発合格できない(倍率が高い)こともあり、引き続き教員を目指す人は「常勤講師」に登録するが、私は登録しなかった。教員としてのプロに、3年で到底なれるわけがない。生半可な気持ちではなく、不合格になったことで、政治家を目指そうと覚悟を決めた。

加えて、教育実習の経験も政治家への想いを加速させた。教員を目指す中で、教員採用試験の前に、教育実習があり、3週間「先生」として教壇に立つ。先生は学科を教える事に加えて、様々な校務分掌の仕事がある。会計・事務、その他なぜ先生がこんな仕事までしてるんだという光景を見て、現役の先生が疲弊していることに気づいた。恐らく自分も教員になった後、手いっぱいで防災まで教えられるのか。そう不安に思った。そうであれば、自分は政治家として先生が働きやすい環境を整えることが、その先の生徒の幸せを増やせることができる最短の近道じゃないか。そう思うようになった。

教員不合格になり、大学卒業後から25歳までの3年間、何をするのか迷っていた時、ちょうど飲食店の紹介サイト:ホットペッパー(当時は紙媒体があった)を見ていた。裏表紙に地方で勤務するリクルートの契約社員(旧CV職)の求人が書かれていた。リクルートで3年限定で営業職として基礎を学べ、契約満了後には100万円のキャリア支援ボーナスがもらえるという制度だ。3年間リクルートで働き、ビジネスを学んだ実績作りと100万円のボーナスを選挙資金にしようと思った私は、リクルートライフスタイルへ入社させていただいた。

リクルートライフスタイル高知支社に配属いただいてからは、元々話下手なこともあり、「要点が伝わらない」「みのる(社内のあだ名)は話が長い」「これでは案件を取れない」など、厳しく優しく先輩方が、一から教えていただいた。加えて効率の悪い私は、勤務時間前の出社前にカフェで資料を作り、日中はずっと外回りをするも営業成績が伸びず、退社後に自腹で飲みに行き、店長と仲良くなってホットペッパーに掲載してもらうということもあった。新人は新規開拓がメインなので、いきなり店に行っても、「ホットペッパーです。」と言うだけで「要らない、帰れ!」と怒られることもあった。真夏の高知で灼熱の中、1日中、自転車に乗って外で過ごした。当時は辛かった。しかし、この、いわゆるどぶ板営業の経験が、後述する秘書時代の仕事に活かされたので、良い経験をさせていただいたと思う。

何よりも、飲食店の店長がどういうことを想って店を開き、何に困っているのか、大企業とはいえ、末端の社員として、現場を知ることができたことは大変面白かった。先輩方のおかげで契約も取れ、仕事が楽しくなってきたとき、国会議員秘書としてのお誘いをいただいた。

MVPを取った時にいただいた特製の団扇。契約を取るたびに自分事のように喜んでくれる先輩ばかりでした。

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